トビラノのブログ

毎日エッセイを書いています

イマジナリーカウンセラー - 2021年6月19日の日記

 

ここのところ、元気に過ごそうとは思っているんだけど、自分の意志とは無関係に英気が失われていくのを身体で感じている。何をするにも気が滅入る。「元気に過ごそう」と思っている時点で元気ではないのだ。

 

どうしようもないので頭の中のイマジナリーカウンセラーに電話して相談することにした。

 

 

というわけですいません、今ちょっと悩んでることがあるんですけど。

−−どうしました?

最近、元気が出ないんです。家で老犬を飼ってるんですけど、老犬の相手をするうちにどんどんエネルギーが吸い取られていく感じがします。

−−うーん。犬の世話をしていても、元気に過ごせるときもあるんでしょ?

それはそうですね。よく知ってますね。私の頭の中にいるんだから私のことは何でも知ってて当然か。たしかに、犬のせいではないかもしれません。他に要因があるのかも。えーと他には、親に将来の心配をされるのがすごく嫌で、文句言われないためにも親を安心させるためにも早く家を出たいと思っているんですが、15年前に犬を飼いたいと言ったのは私だから私がちゃんと家に残って犬の面倒を見てやりたいとも思っていて、どっちも叶えるためには身体が分身しないといけないから困ってます。

−−どうしても親御さんと離れたいんですか?楽しく話せるときもあるんでしょ。

まあ、ありますね。大体は楽しくコミュニケーション取れてますし、将来のことを色々言われたときはなるべく受け流すようにしているので、元気があるときは問題ないです。

−−じゃあ、家を出たいとか、親御さんとの関係より、他になにか元気が出ない原因があるのが根本的な問題ということですよね。

そうですね。

−−何か、やりたくないことを無理にやろうとしてることとか、あるんじゃないですか。

ああ………あります。午前中に絵を描くルーティンができてなくて。今、ある部屋の風景を色鉛筆画にしようと思って描いてる途中なんですけど、なんか嫌になってきて気持ちが進まなくなってきちゃって。そもそもこの絵を描こうと思ったのが、自分の気持ちから始まったというよりは「こんなんが描けるようになったらカッコいいだろうな」という不純な動機があったので、本当は別に描きたいモチーフのかもしれないと思いつつ、一度やり始めたことだから最後まで描き切ろうと頑張っていて。でも全然やる気が出なくて、机に向かうのが億劫になっちゃってます。早く終わらせて、次の作品、犬や猫や気に入った風景を描きたいです。

−−そしたらもう、その絵は途中でやめにしたらいいんじゃないですか。

え!

−−自分の気持ちに反して頑張ろうとすることは、ご法度です。あなたが絵を描き続けようと思ったのは何のためでしたか?

人生を気持ちよく過ごすためです。

−−それで今、全然進まない絵のことを考えて、気持ちいいですか?

気持ちよくないです。

−−じゃあ、その絵はもう……

やめます。終わりにします。光に包まれた犬の絵を描きます。

−−是非そうしてください。

なんか気分が軽くなってきた。ありがとうございます。

−−いえいえ。

 

 

というやりとりが実際に頭の中で起こって、結果ラクになった。自分の気持ちに嘘をつかないことはなかなか難しいけどこうして道を逸れそうになるたびに少しずつ修正していけばいい。

 

自販機のゼリー飲料が好きで時々買っちゃうんだけど、さっき駅でボーッとしたまま缶ゼリーを買って一度も振らずに開けてしまい、ヤベーと思ってるうちに電車が来て、ちょっとしたパニックになった。上澄みを飲んで上部に余裕を持たせてから横方向にちょっとずつ振ることでギリギリ飲めたけど、走行中の電車で缶ゼリーをそんな飲み方してるのは自分でもかなりマナーが悪いと思った。しかも、きまり悪そうにしながら飲むのは缶ゼリーに悪いと思って(きまり悪そうにしていてもマナーが悪いことには変わりないし、きまり悪そうに飲むくらいならハナから飲まずに駅で捨てる選択をすればよい)、堂々と胸張って味わいながら缶ゼリー飲んでたので、余計にマナーが悪い若者になった。こんな状況でもマナー云々より自分の快楽を選べる素直さに拍手を送りたい。

あと、ゼリー飲料を振らずに開けてしまっても意外と何とかなる。